悲しみの遭遇(グンメナサ)

私は、普通に害妖がでたと聞いてやってきた。
そこには、害妖になりかけている、あの人がいた。
「う、が……ぁぁ……」
私は一瞬ためらってしまった。
銃を出せなかった。
握られていた刃物で私は腹部を傷つけられる。
「うぅっ!」
痛みが走る。
でも、撃てない。
倒せない。
引き抜かれた刃物、何とかその人を蹴り、距離をとった。
「や、め……」
まだ理性がある。
でも、こうなるともう助からない。
痛みが走っている部分を止血しておく。
『そんな……。マスターが、わからないなんて』
「ああなると、もう……だめなんです。もう……あの人は」
『そんな……』
銃を出す。
その銃で、害妖になりかけているあの人に向けた。
きっと、こうなりたくなったのでしょう。
“彼”も。
私の意識が遠ざかりかけている。
朦朧としているからか、視界が保てない。
その時に、誰かが私の銃口の位置を支えてくれた。
「……ありがとうございました。師匠。あの世でもお元気で」
そう言うと、私は引き金を引いた。
銃声が鳴り響いた。
悲しみの銃弾は、その人を貫き、害妖となっていたその人は完全に消え去った。
私は膝をついて、銃をしまった。
私はそこまでしか覚えていなかったが、次に覚えているのは病院だった。
その後数週間の入院の後、私は退院し、帰路についた。
その日は泣いた。
あの人を思い出して、ただ。
悲しみを抱えていた。
翌日から、気を引き締める事にした。
悲しい人を作らせないために。
ありがとうございました。師匠。
あの世でもお元気で。

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